文責・出演:加東市観光協会 西山
様々な情報を発信する「広報かとう」。
毎月15,600部が発行されている。毎月楽しみに読んでいるのは私だけではないでしょう。なかなか読む時間がないという御仁にはパソコンやスマートフォンでも読めるようになっている。地域の図書館ではバックナンバーも置いてある。
かとうトリビューンでは、毎月の広報かとうから私の独断と偏見で気になる記事を「深堀り広報」としてお届けします。どうぞ、お楽しみに。
日本農業遺産認定へ!山田錦を未来へ紡ぐ!
『気候風土を活かした酒米「山田錦」生産システム』
広報かとう2024年11月号より
兵庫県山田錦生産地農業推進協議会は、これまで100年以上の山田錦と共存してきた北播磨・六甲山北部地域の歴史や技術を、未来に繋げるきっかけになること、全国に兵庫県産の山田錦を今以上に広めるため、日本農業遺産に申請しました。
【日本農業遺産とは?】
社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化、ランドスケープ及びシースケープなどの将来に受け継がれるべき伝統的な地域を、農林水産大臣が認定します。
【全国の日本農業遺産は24地域が指定(令和5年1月現在)】
【兵庫県内では3地域が指定】
・丹波篠山の黒大豆
・兵庫美方地域の但馬牛
引用:新温泉町「但馬牛」
・南あわじ地域の水稲・たまねぎ・畜産の生産循環
【認定基準】
申請地域の特徴(8つの認定基準)及び保全計画に基づき評価されます。
1.食料及び生計の保障
地域コミュニティの食料及び生計の保障に貢献するものであること。
2.農業生物多様性
食料及び農林水産業にとって我が国において重要な生物多様性及び遺伝資源が豊富であること。
3.地域の伝統的な知識システム
「地域の貴重で伝統的な知識及び慣習」、「独創的な適応技術」、「生物相、土地、水等の農林水産業を支える自然資源の管理システム」を維持していること。
4.文化、価値観及び社会組織
地域を特徴付ける文化的アイデンティティや土地のユニークさが認められ、資源管理や食料生産に関連した社会組織、価値観及び文化的慣習が存在すること。
5.ランドスケープ及びシースケープの特徴
長年にわたる人間と自然との相互作用によって発達するとともに、安定化し、緩やかに進化してきたランドスケープやシースケープを有すること。
6.変化に対するレジリエンス
自然災害や生態系の変化に対応して、農林水産業システムを保全し、次の世代に確実に継承していくために、自然災害等の環境の変化に対して高いレジリエンス(強靭性)を保持していること。
7.多様な主体の参画
地域住民のみならず、多様な主体の参画による自主的な取組を通じた地域の資源を管理する仕組みにより、独創的な農林水産業システムを次世代に継承していること。
8.6次産業化の推進
地域ぐるみの6次産業化等の推進により、地域を活性化させ、農林水産業システムの保全を図っていること。
【申請から認定までの流れ】
兵庫県山田錦生産地農業推進協議会は、8月20日に一次審査(書類審査)を通過し、10月4日、世界農業遺産等専門家会議の楠本良延副委員長と委員2名の現地調査が行われました。加東市には、山田錦の種子生産を行っている牧野地域のほ場や、酒米試験地を調査されました。
【令和6年度日本農業遺産の認定に関する一次審査通過地域】
番号 | 農林水産業システムの名称 | 申請地域名 | 団体名 | 農林水産業システムの名称 |
---|---|---|---|---|
1 | 兵庫県 | 兵庫県北播磨・六甲山北部地域(三木市、加東市、小野市、加西市、西脇市、多可町、神戸市、三田市、猪名川町) | 兵庫県山田錦主産地農業遺産推進協議会 | 気候風土を活かした酒米「山田錦」生産システム |
2 | 兵庫県 | 兵庫県朝来地域(朝来市) | 朝来市農業遺産推進協議会 | 岩津ねぎを生み出した資源循環型農業システム=伝統種子の継承と生物多様性の保全= |
3 | 徳島県 | 徳島県県南地域(阿南市、美波町、牟岐町、海陽町) | とくしま樵木林業推進協議会 | 樵木林業を核とした生態系保全・農林水産業複合システム |
4 | 沖縄県 | 沖縄県多良間地域(多良間村) | 多良間村農業遺産推進協議会 | 琉球王国時代の「抱護(ポーグ)」が育む多良間島の持続的島嶼農業システム |
今後は12月24日に農林水産省で二次審査会が行われ、令和7年1月ごろに結果が発表される予定です。
~泣くも酒、笑うも酒のこの世かな。餅では済まぬ何事も。~
Great Thanks cafe心花(ココハナ)さん
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